い草の畳を学習塾に導入したら、集中力持続!
北九州市立大学環境生命工学科 森田 洋 先生のレポートより引用・要約し、い草の学習への寄与についてご紹介します。
日本家政学会誌【畳を用いた学習環境が児童・生徒の学習面と情意面に及ぼす影響 学童による畳の教室での学習効果】
主な研究課題
1) イグサ・畳の機能性と新規用途開発に関する研究
畳表の原材料、イグサの生理的機能性の解明→新規用途を研究。
イグサは古来より薬草として利用されており、機能性食品・抗菌剤等の開発や畳表の新しい機能性を探る。
学習面からみた畳・い草の効能
い草の畳の部屋とフローリングの部屋とで、学習にどのような違いが起こるか実験を行ないました。
対象:英進館天神本館に所属の中学1年生233名(男131名,女102名)、小学5年生90名(男65名,女25名)
方法:① 中1 畳の教室→一般教室 ② 中1 一般教室→畳の教室 ③ 小5 畳の教室→一般教室 ④ 一般教室 → 一般教室
授業のなかで算数の問題を30分解き、回答数と正答率を解析。アンケート実施。
結果
畳教室で解答する方が解答数が約14.4%増加。正解率は有意差なし。
→ い草の機能性として、集中力持続効果
アンケートで、畳の部屋での勉強は『匂いが良い』『集中できる』『落ち着く』『疲れない』という回答が多く見られた。
今後、畳の部屋で授業を受けたいという回答が62% (一般教室 20%、わからない 17.6%)
解析結果まとめ
1) 集中力が持続する傾向が認められる
2) 疲れを感じない傾向が認められる
3) 年齢が低くなるほどその効果が顕著に表れる
4) 畳が良いと自覚している人はしていない人よりもその効果が顕著に表れる
畳の黄緑色は安心感を与える色といわれています。
畳の香り成分もリラックス作用をもたらすことがわかっています。
靴を脱ぐことによるリラックス効果もあります。
乳幼児期の環境は重要
脳、運動神経、知覚神経などの神経系は
4,5歳までに成人の約80%、6歳までに約90%に達します。
↓
英進館幼児教育(3歳~6歳)の教室に畳を導入しました。
い草のリラックス効果
畳の部屋にいると落ち着くという声を多く聞きます。
これは、い草の芳香成分に、フィトンやバニリンが含まれるためと思われます。
フィトンは森林浴の際に多量に空気中に放出される物質です。
バニリンは、お菓子を作る時に用いるバニラエッセンスの成分で、リラックス効果をもたらします。
い草の主要な芳香成分
- フィトンチッド(芳香成分の約20%)
森林浴をすると気持ちが良い。森や木の匂いがフィトン - ジヒドロアクチニジオリド(芳香成分の約10%)
他の芳香成分を保香する働きがある。 - α―シペロン(芳香成分の約6%)
抗アレルギー作用、鎮静作用がある。 - バニリン(芳香成分の約6%)
精神の安定、リラックス効果 - α―ヨノン(芳香成分の約2%)
スミレ、ラズベリーの香り - β―フェニルエチルアルコール(芳香成分の約1.7%)
バラの香り - β―ヨノン(芳香成分の約1.3%)
木の香り